気になるお酒 4
☆梅乃宿(うめのやど)
何年か前まで大阪南河内に『竹翠』というすばらしい吟醸を出す蔵があったらしいです。
この『竹翠』の蔵元は竹綱障郎という人だったそうですが、赤磐雄町の一等米を買い、蔵の冷房装置も完備し、夜も寝ずに杜氏とともによき吟醸づくりに苦心して、その上、こしき倒し(春先に仕込を完了すること)ののち蔵人たちの慰安旅行に自らマイクロバスの運転をして温泉へ出かけた。
あまりに身心の労苦が重なったためだろうか、その旅行のあとふとした風邪がもとで、昭和56年春急逝してしまった。
あとにはまだ高校一年の男の子一人。
折柄国税庁側は転業資金を用意して小さい酒蔵の転廃業を陰に陽にすすめている時期で、とうとうこの『竹翠』の酒蔵は廃業を余儀なくされたのです。
『竹翠』の名吟醸を愛する人世に少なからず、みなその蔵の廃業を心から惜しみ悲しんだ。
私などもその一人で、何とか廃業しないですむよう、あるいは廃業が決まったとしても、家業を復活・支援する署名運動を起こそうかと思ったぐらいです。